Raffles Istanbul - Turkey
RAFFLES COLLECTION

イスタンブールの芸術と夢

Raffles Istanbulのロビーには、ブロンズの抽象的な造形作品があります。すぐ目に留まることでしょう。トルコ人詩人オズデミル・アサフの人々に愛されている詩「ラヴィニア」にちなんで名付けられたこの彫像は、16メートル×5メートルという目を見張るような大きさです。そこで不思議なのは、ロビーのドアが比較的小さいことを考えると、この作品をどのようにしてロビーに設置したのかということです。当ホテルのアート&ヘッド コンシェルジュのメテ・ウナランは次のように話しています。「私はよく冗談で言うんですよ。『まず彫像を設置してから、その周りにホテルを建設したんです』ってね」

これは、それほど的外れでもありません。芸術は、すべてのラッフルズ ホテルの基礎構造に欠かせない要素であり、全体的なデザインにシームレスに組み込まれています。しかし、Raffles Istanbulでは、芸術がその中心にあり、この壮大なブロンズ像は、パブリックスペースを巨大なキャンバスに見立てた200点を超えるコンテンポラリーアート作品(壁画、写真、モザイク、シャンデリア、彫刻など)の1つです。

"当ホテルのアーチ状のデザインは、イスタンブールの豊かな歴史と多様な文化を反映しており、奥深いイスタンブールの個性と時代を超えたダイナミズムを醸す雰囲気が感じられます"

Luxurious Hotel Suite with Contemporary Design

当ホテルのアーチ状のデザインは、イスタンブールの豊かな歴史と多様な文化を反映しており、奥深いイスタンブールの個性と時代を超えたダイナミズムを醸す雰囲気が感じられます。HBAのインテリアデザイナーは、このコンセプトを「イスタンブールの夢」と呼んでいます。同アートコレクションは、米国のアートキュレーターであるキャンバス アトランタ社とイスタンブールのアーティスト、ミレイ・アクムトが、12年ほど前に労を惜しまず作り上げたもので、先述のテーマを表現しています。

コレクションの約3分の1は、レフィク・アナドル、オヨラウモ・オクテム、アルダン・オズメノール、ジャスミン・アスラン・バキリ、シャヒン・パクソイ、イルファン・ウールメン、そしてミレイ・アクムト自身を含む一流トルコ人アーティストが手掛けた作品です。ミレイ・アクムトの作品は、当ホテルのプレジデンシャル スイートに展示されています。その結果、メテ・ウナランが言うように、同コレクションは「創造性あふれる生きたタペストリーであり、多様な芸術領域、スタイル、時代を織り上げたまとまりのある1つの物語になっている」のです。

例えば、アルダン・オズメノールは付箋を使用した作品で広く知られています。彼女はトルコ共和国建国の父であるアタテュルク、トルコ初のイスラム教徒の舞台女優であるアフィフェ・ジャーレ、アトランティックレコード共同創業者のアーメット・アーティガン、15世紀のオスマン帝国皇帝であり「征服者」と呼ばれたメフメト2世を表現した4部作を制作しました。 

Elegant and Luxurious Hotel Hallway
Luxury and Art Deco Converge: Inside an ACCOR Hotel

ジャスミン・アスラン・バキリによる3点の精緻なカフタンは、鋳造ガラスと金網で作られており、ボールルームの外側に掛けられています。日常的な素材を使用したコラージュ技法で知られるイルファン・ウールメンによる2つの作品には、チュールの細長い布が使用されています。 
 

Raffles Istanbulの国際的な視点を反映して、コレクション作品の3分の2はトルコ国外で活躍するアーティストが制作したものです。フランスの超写実主義の写真家ジャン・フランソワ・ロジエ、ニューヨークの写真家モニカ・スティーブンソン、イタリアのモザイクブランドSICISなどが作者として名を連ねており、アトランタを拠点とする彫像作家マーティン・ドーは、ラヴィニアの彫像の作者です

Luxurious Hotel Lobby with Elegant Reception Area
Recycled Glass Art: A Detailed Look

他の全アーティストと同様に、ドーは当ホテルがまだ建設中の段階で制作の依頼を受けました。彼は次のように話しています。「私たちはその空間を見ました。建物の設計を見て、何か長くて、横に倒れているような、ヘンリー・ムーアっぽい作品を作りたいと思いました。私たちは8点か10点の異なるスケッチを考え出し、そのうちの1つを選びました。そして適切な作品名を考える必要がありましたが、オズデミル・アサフの詩「ラヴィニア」にちなんで名づけてはどうかと提案したのは、実は在アトランタのトルコ領事なんです。作品をイスタンブールまで運ぶのは、複雑なプロセスでした。私たちはアトランタで粘土原型や鋳型を作り、それを上海の鋳造会社に送って鋳造してもらいました。私は何度か上海に行って、進捗状況を確認しました。そして、彫像が完成してイスタンブールに移送されてから、私はホテルで設置業者に会い、作品がクレーンでつり上げられてロビーに設置されるのを見届けたんです」

コレクションのツアーを率いるメテは、次のように話しています。「マーティン・ドーの彫像は、当ホテルで最も傑出した作品のひとつで、必ずお客様を魅了します。ジャン・フランソワ・ロジエの作品は、ドルマバフチェ宮殿を超写実的に捉えた巨大なもので、ロビーに掛けられていますが、これも同様に魅力的です。ロジエは政府から特別な許可を得て2,000枚以上の写真を撮影し、それらを丹念に組み合わせてこの傑作を生み出しました。これをさらに魅力的なものにしているのは、作品内に隠されているオウム、ヒョウ、トラなどのエキゾチックな動物です。オスマン帝国にインスピレーションを得たこれらの動物は、作品から5メートル未満の距離まで近づかないと見えません。この作品にはお客様が好きなインタラクティブで謎めいた要素がプラスされているんです」

"お客様は作品をご自身のペースで鑑賞できますし、作品やその物語との絆をさらに深められるメテのツアーに参加することもできます"

作品は、ロビー、客室、パブリックスペースなどのホテルの至る所に巧みに展示されており、どの作品も当ホテルの全体的なデザインと文化的な物語に寄与しています。お客様は作品をご自身のペースで鑑賞できますし、作品やその物語との絆をさらに深められるメテのツアーに参加することもできます。ツアーに参加すると、お客様は各作品の背景にあるインスピレーションや、伝統的な要素がどのようにして現代的な形で生まれ変わったのかを知ることができます。

「お客様の中には、アート作品に深い関心を寄せ、そのディテールや物語に興味を抱く方もいますし、作品の美的調和と空間的融合を高く評価する方もいます。また、職人技や構造的要素に魅了される方もいます」とメテは話しています。 

Raffles Istanbul - Turkey

では、マーティン・ドーの巨大なブロンズ像は、どのようにしてロビーに設置されたのでしょう? メテは話さないかもしれませんが、ドーが答えてくれました。「当初、私たちが依頼を受けたとき、巨大な彫像はロビーのドアを通れる大きさでなければならないと言われました。ドアはすでに設計済みだったので、実現方法を考え出せるかどうかは私たちにかかっていました」とドーは話しました。「熟考の末に、私たちはブロンズ像を2つに分けることにして、下の部分と頭の部分を1つの木箱に入れ、高く上げた脚の部分をもう1つの木箱に入れました。木箱は数ミリの余裕を持ってドアを通り抜けることができ、作品は現場で組み立てられました」

メテが指摘したように、Raffles Istanbulのアートコレクションの目的は、単なる芸術の保護ではありません。その目的は、未来の世代のために人間の表現の本質を守ることです。そうすることで、未来の世代は目に見える形で歴史や文化とのつながりを持つことができます。「コレクションは空間を一変させ、そこに美しさ、奥行き、個性を吹き込みます」とメテは話しています。「このような作品のおかげで、当ホテルは単なる滞在場所ではなく、体験を生み出す場所になっているのです」

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RAFFLES ISTANBUL(ラッフルズ イスタンブール)

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