Grand View of Udaipur from City Palace
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湖と天空の城の街

ジョー・モーティマーが、ウダイプールの古代城壁の内側に織り込まれている名誉、宗教、ロマンスを明らかにします。ここにはメーワールの統治者たちが築いた天空の城がたたずんでいます。 

ピチョラー湖上空の鉛色の空が破裂し、激しい土砂降りで世界がびしょ濡れになります。ふくよかな雨粒がガンガウル ガートの敷石をたたき、埠頭の朝の祝祭行事で撒かれた深紅色のガラルパウダーとサフラン色の花びらを洗い流してゆきます。地元住民と観光客が土砂降りから逃げるようにあらゆる方向に向かって走り出し、覆いのある出入口やバゴーレ キ ハヴェリの壮麗なアーチで雨宿り。湖の都市はふたたび浄化されました。

A bustling scene unfolds in front of a grand, intricately-designed Indian palace, its facade adorned with ornate balconies and intricate carvings. A woman, draped in a vibrant blue sari, gracefully traverses the courtyard, seemingly unfazed by the flurry of pigeons taking flight around her. The pigeons, a mix of gray and white plumage, are captured in various states of motion, their wings blurred as they scatter across the courtyard's stone paving. Some pigeons are perched on the edge of stone water bowls, their reflections barely visible on the water's surface. In the background, a vibrant mural depicts a procession of figures in colorful traditional attire, possibly representing a scene from Indian mythology or history. The cloudy sky above adds a dramatic backdrop to the scene, hinting at the dynamic energy of the courtyard.

その伝説的な宮殿、古代寺院、壮大な要塞と同様に、ウダイプールは歴史の層が重なり合って形成されている遺跡です。愛と誇りのために存亡をかけて戦っていた時代に、強迫観念にとりつかれた何世代にもわたるマハーラナたちがこの都市を拡大してきました。この都市は16世紀にウダイ・シン2世によって創設され、メーワール王国の旧都チットールガル城砦でムガール軍による破壊から逃れました。狩猟旅行中の隠修士との偶然の出会いが、ピチョラー湖畔にあるウダイプール創設の地へと導きました。

A sprawling cityscape stretches out below a dramatic, cloud-filled sky.  Lush green foliage covers the hillside in the foreground, offering a vantage point for taking in the urban expanse and a glimpse of the water beyond.  The cityscape is a mix of white and beige buildings, punctuated by the occasional high-rise.  The water is a deep blue, reflecting the overcast sky.

肥沃なウダイプール渓谷は、アラヴァリ山脈の壮大な山々に囲まれ、山脈が南部のラージャスターンと北西部の広大なタール砂漠を隔てており、新しいスタートにぴったりの場所です。現在、この街を囲む7つの湖は、アハル川から流れ込む水路網を形成しています。これは何世紀にもわたって形成されたもので、農業用水や飲用水を提供しています。 
 
ピチョラー湖とその近隣のファテ サーガル湖は、城壁の都市の人々に瞑想的かつ対照的な姿を見せてくれます。霧に包まれる姿、鏡のように静かな姿、モンスーンの雨で渦巻く姿など、さまざまな姿を見せてくれるこれらの湖は、現代のインドの喧騒から解放されて一息つけるスポットです。

A bustling street scene unfolds from an overhead perspective, showcasing a vibrant array of fresh produce displayed at a market stall. Two women tend to their wares, their faces partially obscured, amidst overflowing baskets of vibrant green vegetables, plump orange pumpkins, and ripe yellow melons. The woman on the left, adorned in a colorful sari, expertly weighs a customer's selection of green limes, her hands moving with practiced ease. Meanwhile, another woman, her back to us, stands amidst the colorful chaos, organizing the various fruits and vegetables.
Smiling Market Vendor

通りから湧き出してごった返す群衆が、丘の斜面に立ち湖上に浮かぶ、そびえる寺院や立派な宮殿を背景に流れ込んできます。昼夜を問わず騒々しい人々の列、オートバイ、スクーター、自転車、リキシャが絶え間なく連なる波、ハティ ポル市場の店先に積まれているカラフルなスパイスやエキゾチックな野菜。そのような日常の景色が繰り広げられるこの街は、現代のウダイプールの基盤となる古来からの礎です。

ウダイプールの歴史は極めて膨大かつ壮大なので、それを数日間で明らかにしようとするのは到底無理なように思われます。しかし、エキスパートのガイドがいて、天気さえ崩れなければ、計画性のある忙しい2日間でウダイプールの見どころを見て回ることは可能です。 

Serene Oasis: Fountain and Lush Greenery

女性たちのための庭園、サヘリヨン キ バリからスタートしましょう。ここは、日陰のある中庭、蓮の池、ブーゲンビリアに彩られた大理石のパビリオンに囲まれた南国のオアシス。この観賞用庭園は、3世紀以上も前に、マハーラナ・サングラーム・シング2世が、彼の若き花嫁と彼女に仕える48人の乙女のために建設しました。

庭園が都会生活からの一時的な解放を表すとしたら、ウダイプール シティパレスは、まさにその中心にあります。かつてこの宮殿は、メーワールの統治者にとっての住まいであり、要塞であり、権力の座でした。初期の敷石は、1559年に、ピチョラー湖畔の丘陵地帯に据えられました。そしてムガール軍の襲撃を阻むために、6キロメートルにもおよぶ防壁が急速に建設されました。メーワールの長い歴史の中で、ウダイプールはムガール軍の手に落ちなかった唯一の都市であり、1947年のインド独立で王国の終焉を迎えて新たに創設されたラージャスターン州に吸収されるまでに、約400回の夏を越しました。 

11の宮殿が複雑に絡み合うこの手強い要塞には、列柱のある廊下、ドーム状の応接室、豪奢な礼拝所、立派な中庭、そしてメーワールとムガールの建築様式を融合した ジャローカ式 のバルコニーがあります。この壁の内側では、王族の日常における素晴らしいドラマが日々繰り広げられていました。 時の流れや悪天候により色褪せてきたこの巨大な壁は、今でも宮殿の全盛期の姿を彷彿とさせます。それぞれの中庭がたいまつやロウソクの光で輝き、それが鏡や半貴石がはめ込まれたアルコーブや天井に反射してきらめく姿です。

Opulent Indian Courtyard
Elegant Blue Hallway in a Luxurious Residence
Illuminated City Palace on Lake Pichola at Night

高い位置に設けられた宮殿のバルコニーからは、ピチョラーの至宝の眺望を楽しめます。その1つのジャグマンディール(湖の島の宮殿)には、後にタージマハルを建設したシャー・ジャハーン皇帝となる若き日のカーラム王子が、ムガール軍から避難するために滞在していました。もう1つのジャグニワス(湖の宮殿)は、007のファンなら見覚えがあるでしょう。この宮殿は、ボンドに対抗する悪役の隠れ家として、映画『007/オクトパシー』に登場しています。 

Intricate Sandstone Carvings of an Ancient Temple

ウダイプールの創設よりもはるか以前には、23キロメートル離れた場所にあるナグダがメーワール王国の首都でした。ヒンズーの神々を崇めるために建設されたすべての寺院の中では、11世紀初期のサース バフー寺院が最も美しく芸術的な傑作だと言えるでしょう。この寺院は、女性の美への賛辞として、カチワーハー族のマヒーパーラ王によって建設されました。

山頂の隠れ家サジャンガル宮殿を囲む丘陵地帯には、今でもヒョウがうろついています。この宮殿は、若き支配者マハーラナ・サジャン・シングが、近づく雨を観察して夜空を研究するために建設しました。現在は「モンスーン宮殿」として知られており、大理石の壁、そびえたつ柱、壮麗なアーチ道がこの街のロマンスを包み込んでいます。この場所は、太陽がアラヴァリ丘陵の向こうに沈むのを眺めるのに最適なスポットです。夕陽が空を薄紫色に染め、ウダイプールの街が暗いラベンダー色に変わり、夕暮れの中で輝きます。

Stone Elephant Sculpture Under a Blue Sky

写真:アーリアン・カーン

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